GIPOについて
「一般社団法人GM-CSF吸入推進機構」は、英語表記「GM-CSF Inhalation Promoting Organization 」の頭文字を取って、GIPO(ジポー)と呼んでいます。GM-CSFは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子の略称で、白血球の働きを強くしたり、白血球のもととなる骨髄の細胞を増殖させるタンパクです。
私たちは肺胞蛋白症という難病と長年向き合い、病因である抗GM-CSF自己抗体の発見から血清診断法の開発、さらに重症患者にGM-CSFを吸入で投与すると低酸素状態が改善することを見いだして、薬事承認を目指して臨床試験を繰り返してきました。その過程で、肺胞蛋白症患者さんやご家族が抱える様々な課題や担当医のご苦労を目の当たりにし、何とか力になりたいという強い思いを抱いてきました。2024年3月26日に自己免疫性肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法は薬事承認され、同年7月29日に発売となりました。吸入療法の期間や吸入方法の最適化は、これから経験を積み重ねて明らかになっていくと思われます。また、GM-CSF吸入療法は、新型コロナ肺炎中等症に投与され、有効性が示唆されたり、難治である非結核性抗酸菌症に効くのではないかと期待されています。こうした医師が行う適用外の臨床研究・医師主導治験も応援していきたいと思っております。
GIPO は、全国の関係機関と連携しながら、積極的に情報発信と啓発活動を行い、GM-CSF吸入療法の普及と発展のために、以下の活動を行ってまいります。
主な活動
1.GM-CSF吸入療法の普及啓発と最適化
- 自己免疫性肺胞蛋白症患者さんへのGM-CSF吸入療法の啓発と治療
- 吸入法、用量、用法の最適化に関する臨床研究の実施支援
- 医療従事者向け教育研修の実施
2.GM-CSF吸入療法の新適用開発研究
- 自己免疫性肺胞蛋白症以外の疾患へのGM-CSF吸入療法の有効性と安全性を探索する臨床研究の実施支援
3.抗GM-CSF自己抗体検出キットの新適用開発
- 抗GM-CSF自己抗体検査を他の疾患に適用拡大するための研究の支援
- 粉塵曝露後の血清抗GM-CSF自己抗体陽性者のスクリーニング支援
4.肺胞蛋白症の診断・治療の支援
- 肺胞蛋白症の診断・治療に関するガイドラインの改訂
- 医療従事者からの照会に対応する
- 日本肺胞蛋白症患者会と連携し、患者さんからの相談に対応する
5.日本肺胞蛋白症患者会との連携
- 患者会活動への情報提供
- 患者勉強会の支援
- 政策提言、制度改革への働きかけ
GIPOの活動が、GM-CSF吸入療法を必要とする患者さんの生活の質の向上のために役立つことを心より願っております。
一般社団法人GM-CSF吸入推進機構 代表理事