医師はどうやって診断しますか
医師はどのように診断しているのでしょうか?
肺胞蛋白症の92%は、抗GM-CSF自己抗体によって発症する自己免疫性肺胞蛋白症ですから、確率の高い自己免疫性肺胞蛋白症→続発性肺胞蛋白症→遺伝性肺胞蛋白症の順に可能性を探ります。
主な検査
- ① CT検査肺の高分解能CT撮影
- ② 血液検査抗GM-CSF自己抗体濃度の測定
- ③ 気管支鏡検査肺胞内にあるサーファクタントの確認
自己免疫性肺胞蛋白症の場合
①肺の高分解能CT撮影を行って、スリガラス影があるときに、肺胞蛋白症を疑います。
②血液検査で抗GM-CSF自己抗体濃度を測ります。1.7 U/ml 以上が陽性です。あるいはスティック型イムノクロマト検査で陽性を判定できます。陽性だった場合は、自己免疫性肺胞蛋白症の可能性が高くなります。
③確定するには、現状では気管支鏡を使って生理食塩水を気管支に注入して回収することによって、肺胞に貯まった白色の老廃物を確認するのが普通です。肺胞蛋白症であれば、回収する液が濁っています。
気管支鏡を使って生理食塩水を気管支に送り込んでいる写真
①→②→③の順序で診断しますが、主治医の先生のお考えもあるので、よく相談してください。
続発性肺胞蛋白症の場合
①、②、③の検査は必要ですが、②は陰性となるのが普通です。それと、基礎疾患といって、肺胞蛋白症を起こすと報告されている病気を合併していることが診断には必要です。報告されている病気には、骨髄異形成症候群や白血病、感染症、膠原病などがあります。
遺伝性肺胞蛋白症の場合
やはり、①、②、③の検査が必要ですが、②は陰性となり、さらに続発性肺胞蛋白症を起こすような病気を合併していないときに、遺伝性肺胞蛋白症を疑います。原因となる遺伝子を探して、決定するのに、通常は何ヶ月もかかります。