GM-CSF Inhalation Promoting Organization

肺胞蛋白症について

自己免疫性肺胞蛋白症の簡易血清診断

血清中の抗GM-CSF自己抗体の陽性陰性を簡便に判定できるキットがノーベルファーマ社から発売されます。イムノクロマト法 ( ImmunochromatographicAssay ) による測定です。

血清検体をテストデバイスの血清滴下部[S]へ滴下した後に、展開液を展開液滴下部[D]に滴下します。血清は、展開液とともに毛細管現象により、テストストリップ上を移動します。
コンジュゲーションパッドに含まれている金コロイド標識抗ヒトIgGモノクローナル抗体は、血清中のIgGと免疫複合体を形成しながら展開部を移動します。その免疫複合体の中に抗GM-CSF抗体複合体が存在すれば、テストストリップ上の抗GM-CSF抗体判定部[T]に固定化された遺伝子組換えヒトGM-CSFに捕捉され、テストライン出現位置に集積し赤紫色のラインが出現します。

本品は、この赤紫色のラインを目視で確認し、試料中の抗GM-CSF抗体の有無を判定します。一方、遺伝子組換えヒトGM-CSFに捕捉されなかった免疫複合体は展開部をさらに移動し、展開部のコントロール判定部[C]に固定化された抗マウス免疫グロブリン抗体により捕捉され、コントロールライン出現位置に紫色のラインが出現します。

実際に200 U/ml の抗GM−CSF自己抗体を含む血清をヒト血清で倍々希釈して、テストラインの発色を観ると、下の図のようになります。

テストラインは、1.56 U/ml まで見えて、それよりも希釈が進むと、テストラインは陰性になります。
つまり、0.78 U/ml と0.39 U/ml は測定下限よりも下です。
換言すると、テストラインが見えれば、1.56 U/ml 以上の濃度があるということです。

注)本イムノクロマトは、血清中の抗GM-CSF自己抗体を検出するために開発された製品であり、その他の検体ー気管支肺胞洗浄液や腹水や胸水などの抗GM-CSF自己抗体の検出には向いておりません。